30代〜40代は、結婚・出産・住宅購入・キャリアの転機など、ライフイベントが集中する時期。子どもの教育費や住宅ローン、老後資金など、将来のお金への不安も増えてくる年代です。
そんな中で「保険の見直し」が気になっている人も多いのではないでしょうか。
しかし、いざ見直そうと思っても「うちの保険、これで合ってる?」「もっと安くできる?」と悩んでしまう人も少なくありません。
今回は、子育て世代が保険を見直すときに押さえておきたい5つの基本的な考え方を、ファイナンシャルプランナーの視点から具体的に解説します。
保険は「万が一に備えるもの」、貯金や資産運用とは別物と考える

保険は「万が一のときに経済的ダメージをカバーする手段」であり、「貯蓄」や「資産運用」とは明確に役割が異なります。
特に子育て世代の場合、「保険料を支払いすぎて家計が苦しい」というケースもよく見られます。
例えば、将来の備えとして終身保険や学資保険を複数契約し、月々の保険料が5万円を超えている家庭もありますが、その結果、生活費や緊急資金が不足しては本末転倒です。
まずは「保障の目的」と「期間」、そして「必要保障額」を明確にし、過剰な保障や重複契約を減らすことが大切です。
必要な保障額は、家族構成やライフステージで変わる

子どもが小さいときと、大きくなって独立が近いときでは、必要な保障は大きく異なります。
例えば、夫婦と小学生の子ども2人という家庭で、主に家計を支える夫に万が一のことが起こった場合、子どもが成人するまでに必要な生活費・教育費を考慮した保障額は、おおよそ3,000万円〜5,000万円と言われています。
しかし、共働きで妻にも安定した収入がある場合や、子どもが大学生になっている場合には、必要保障額はもっと少なくて済むこともあります。
つまり、「我が家にとって今、何が必要か?」を定期的に見直すことが重要です。
医療保険やがん保険は「不安」より「実際のリスクと費用」で判断する

医療保険やがん保険は、つい「不安だから…」と手厚くしたくなるものですが、過剰な保障になりがちです。
実際には、日本には高額療養費制度や公的医療保険制度が整っており、入院費や手術費が高額になっても一定の自己負担で済む仕組みがあります。
例えば、年収500万円の会社員であれば、1ヶ月の自己負担限度額はおよそ8万円程度。さらに医療費控除や付加給付制度も利用可能な場合があります。
これらを踏まえると、「医療費に備える保険」よりも「収入減少に備える就業不能保険」などを優先した方が効果的なケースもあります。
掛け捨て保険のメリットを知る。貯蓄型保険がベストとは限らない

貯蓄型保険(終身保険や学資保険など)は、解約返戻金があるなど魅力的に見えますが、保険料が高額になりがちです。
例えば、30代夫婦でそれぞれ終身保険に加入し、保険料が月3万円前後になると、家計を圧迫する可能性も。
その分、教育資金や投資信託による資産形成にまわせば、より柔軟で効率的な資金計画が立てられるかもしれません。
子育て世代には「必要な保障を、必要な期間だけ備える」掛け捨て型保険が適している場合も多いため、目的とコストのバランスを見極めましょう。
保険は「一度契約して終わり」ではなく、定期的にアップデート

結婚、出産、住宅購入、転職、子どもの進学…。 ライフステージの変化に応じて、必要な保険も変化します。
しかし現実には、10年前に契約したまま何となく続けている、という方も多いのが実情です。
保険は「一度入ったら終わり」ではなく、「見直しながら育てていくもの」。 定期的に内容を確認し、必要に応じて変更・解約・追加を行うことが、家計と安心の両立につながります。
まとめ

保険の見直しは、単に「保険料を安くする」ためだけではなく、「家族にとって本当に必要な保障を、無駄なく備える」ための大切な作業です。
30代〜40代の子育て世代こそ、「万が一に備えつつ、今を生きる家計」について真剣に考えるタイミング。
プロのアドバイスを取り入れながら、保険と家計のバランスを見直してみてはいかがでしょうか。